海外のユニークなコラボ事例に学ぶ:セレブ、メディア、アルコール飲料とのコラボレーションの事例5選

ジョニーウォーカーとジュードロウのタイアップ

日本にいると見えない海外でのセレブのコラボレーション

アサヒビールが7年ぶりのブランド「アサヒザドリーム」の発売に ラグビーの五郎丸歩選手を起用するなど「時の人」をキャラクターとする新商品発売は日本ではよく見られます。

アサヒビール、五郎丸選手を広告キャラクターとして新ブランド「アサヒ ザ・ドリーム」の発売を発表。

一方でこれが海外になると非常にわからなくなってしまいます。海外では有名人やセレブの人たち、メディアはどのように商品のマーケティングに活用されているのでしょうか?

日本にいながらでは情報も入りづらいので海外のイノベーティブなアルコール飲料のみをトラッキングしているラディアスで早速調べてみました。

超有名セレブから日本では全く聞いた事の無いメディアなどいくつか興味深い、ユニークな事例を5つまとめてみました。

セレブとのコラボ商品海外事例の傾向と効果

  • 海外においてもセレブ、有名人、人気メディアのコラボ商品は多く発売されている
  • グローバルで知名度があるセレブは限られている中でもグローバル企業を中心にそのようなセレブへの需要は高い
  • アルコール飲料との親和性のファクターが重要な要素
  • メディア(テレビ番組)が固定ファン層を持っている場合、商品は知名度を利用した販売促進に注力
  • インターネットの活用効果、特に動画は必須アイティム

それではラディアスから選んだ5つの事例をご紹介致します。

世界市場がターゲット、世界レベルの知名度:映画俳優、女優

アルコール飲料業界の市場のグローバル化と多国籍化はこれから更に進むものと思われます。そのため新商品や企画も特に大手メーカーにとっては世界市場をターゲットとする需要が益々高まると思います。
この原稿を書いている間にも、まさにアサヒビールのグロールシュをはじめとする欧州4社の買収ニュースも飛び込んできております。アルコール飲料業界のプレーヤーの更なるグローバル化はどんどん進んで行く事でしょう。

アサヒ 欧州ビール4社を約3300億円で買収へ

さて、大手アルコール飲料メーカーが大型、もしくはユニークな新商品を発売する際に、成功をより確実にする為の投資とその新商品にふさわしいキャラクターが必要です。

そのような中、世界中で知名度が高いセレブとして、映画俳優、女優、スポーツ選手、人気歌手は商品の成功の為の効果が期待できる対象である事は海外でも間違いが無いようです。
圧倒的な知名度と彼らの持つキャラクターを利用してのブランドの認知度と価値の向上、そして売上げアップをはかります。

今回は2人の世界的映画スターのちょっと変わった嗜好の事例をご紹介します。

ジュードロウ、紳士の賭け事Ⅱ:ジョニーウォーカーブルーラベル

「シャーロックホームズ」シリーズや「リプリー」「コールドマウンテン」などで日本でも人気の高い俳優ジュードロウがジョニーウォーカーのブルーラベルとタイアップしている。

ジョニーウォーカーのブルーラベルはジョニーウォーカーの中でも誰もが知る高級酒ブランド。

ジョニーウォーカーはプロモーションとしてジュードロウ主演の日本の短編映画を作っております。しかもこの映画は監督、脇役の面々も一流で非常に質の高い作品になっています。主演のジュード・ロウと共にイタリア人俳優ジャンカルロ・ジャンニーニ、最新作では中国市場へのアピールを意識し中国で人気の女優ヴィッキー・チャオも起用しています。

この動画シリーズは、ジョニーウォーカーの“Keep Walking”という精神を反映したコンセプトの中に、“joy will take you further”(歓びがあればどこまでも行ける)が随所に描かれておりブランド価値も彼を活用し閲覧者へ届けております。

この作品「紳士の賭け事 Ⅱ(原題:THE GENTLEMAN’S WAGER II)」はYoutubeでも日本語のサブタイトル付きで見る事が出来ます。本日時点で78万ビュー。1作目はなんと1000万ビュー以上もあり動画としても全世界で閲覧されている事がわかります。

ジョニーウォーカーブルーラベルが人気俳優のジュード・ロウを再び起用した映画風のCM動画を発表

世界的コメディアン俳優ベン・スティラー、ズーランダー2:シロック「ブルースティール」

次は、ベン・スティラー主演監督のズーランダー2。こちらは彼ならではのコメディ映画です。1作目同様にハチャメチャなストーリーと有名人のカメオ出演が話題でアメリカでは今年2月に公開の予定。

シロックこの作品とのタイアップはディアジオ社のシロック。実はこの映画の中でファッションモデル役のベン・スティラーが見せるキメ顔「ブルースティール」が笑いのつぼ。
なんとディアジオ社はこの「ブルースティール」をネタにして超高級ウォッカ「シロック:ブルースティール」をタイアップ商品として作ってしまいました。
ご覧の通り、ボトルも「ブルー」と「スティール」をモチーフにしています。

今回のシロックは、 ぶどうだけで作られた超高級ウォッカです。ディアジオ社欧州のマーケティング部門のReader氏は、超高級スピリッツ市場は拡大中であり、同社の中でもシロックはウォッカカテゴリーの成長の原動力として位置していると話しております。

ネタを活用したコラボ商品ですが中身もマーケティングもとてもまじめでユニークなコラボ商品の販売戦略ではないでしょうか?

ディアジオ社、映画『ズーランダー2』公開に合わせて記念限定ウォッカを発表

アルコール飲料と食べ物の相性の良さは世界共通:セレブシェフ、ジェイミー・オリバー

アルコールと言えば一緒に頂く食事は切っても切り離せません。そこで多くのアルコールブランドがセレブシェフとのタイアップ商品を出しております。

セレブシェフと言えばこの人と言っても言い過ぎではないジェイミー・オリバーとのコラボレーションをご紹介します。
彼はシェフとしてだけではなく、テレビでのタレントとしての出演、複数のレストランをもつ起業家としても成功をしています。このタレント性は大手メーカーとしてもコラボレーション価値が高く、現在バカルディ社が彼をプロモーションのパートナーとして活用しております。

彼の発信するすべての情報が価値を生む?:ジェイミー・オリバー

jamieoliverwebsite
彼が手がけるYouTubeの料理チャンネル「FoodTube」の関連チャンネルとして、バカルディを使ったカクテル作りを紹介する「DrinksTube」にも出演。
これらのカクテルはジェイミー・オリバーの月刊誌やウエブサイトに掲載される他、経営する英国内のイタリアンレストラン33店舗と海外の5店舗で新メニューとしても登場する予定です。

ネット上で情報として提供するだけでなく、実際に彼のレストランで飲む事が出来るということでジェイミー・オリバーファンにとっては更に楽しみが増えますね。

Youtubeのカクテル作りのチャンネルの中で特に閲覧回数が多いのがモヒートの作り方です。
彼が作るモヒートの作り方は、彼らしいダイナミックなハーブの使い方、美味しい作り方のコツの伝授などコンテンツとしても非常に面白いコンテンツです。バカルディ社の商品がさりげなく活用されているのがわかります。
本日時点で55万ビューもの閲覧数がある大人気の動画となっています。

バカルディとイギリスの超人気シェフ ジェイミー・オリバーがコラボ

テレビ人気番組とのコラボレーション商品

テレビ番組の活用事例です。日本でもテレビと有名人のコラボ商品はとにかく多いですよね。テレビがまだまだメディアとして有効で、マーケティング機会を提供してくれているのがわかります。

一方でテレビというメディアを活用した場合は活用の仕方に特徴があり、前述の映画俳優などとは大きく異なる点があります。

それはローカル性です。

例えば国、地域により視聴されているテレビ、俳優などが限定される場合が多いと言う点です。年齢や性別などもかなり限定され、40代の私にとって10代、20代グループのなかでの「有名人」も私には未知であるケースが起こります。また、全国版と地方ローカル版の番組があります。
このような「ローカル性」が全世界で起こりうるのがテレビ番組を使ったコラボ商品の特長です。

一方で、そのローカル性ゆえにそのターゲットの市場(地域、年齢、性別、趣味など特定の属性)での支持された際のロイヤリティの高さは大きいメリットであり、利用価値の高い要素であると言えます。

これらの要素から、テレビ番組を活用してのコラボ商品は、このテレビ番組のファン層を基礎としての商品であることから、商品自体がこのテレビ番組の認知度をあげるというよりは、存在するファン層の人たちがさらに番組への参加意識、ロイヤリティを高めるという効果の方が強いようです。

テレビ番組を活用して、この「ローカル性」とアルコール飲料商品の販売促進をリバレッジとして活用しているそのような事例を2つご用意致しました。テレビ番組というメディアの市場性を典型的に活用しつつもユニークな事例と思います。

圧倒的な人気とワインとの親和性の高さ:ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館

ダウントン・アビーのワイン

あえてワインボトルの写真を大きく掲載しました。この方がラベルがよりはっきりと見る事が出来ると思ったからです。

このボトルを見て、すでにこのワインを買いたい!と思っている人がいるかもしれません。

そうです、このワインはイギリスの超人気番組ダウントン・アビーのコラボ商品、まさに「ダウントン・アビー」という名前のワインです。

「ダウントンアビー」は、イギリスの大人気のテレビ番組ですが、アメリカでも放映が開始人気が爆発した世界中で有名なテレビ番組です。日本でも放映されておりますので、ファンが多いです。

20世紀初頭、第一次大戦前後の、英国貴族の邸宅“ダウントン・アビー”を舞台に巻き起こる、伯爵一家と使用人たちの生々しい愛憎劇や複雑な人間ドラマを描いております。時代設定に忠実で、細部までに本格的に再現された衣裳や調度品が創り出す世界観が人々を魅了し世界中で大きな支持を得ている大人気の番組です。

ダウントン・アビー公式サイトースターチャンネル

登場人物であるグランサム伯爵夫人がアメリカ人という設定にちなみ、米国カリフォルニア州のぶどうを使用している点もファンの気持ちをくすぐるのではないでしょうか?

ローカル性の高いテレビ番組とは言ってもここまで世界的に人気の番組となれば関連商品も数多く発売されているはず。登場人物の設定にちなんでカルフォルニアのぶどうをつかっているとは言っておりますが、ワイン自体も番組名そのまま。

これだけの固定ファンがいればあまりひねりも入れる必要もないという事もうなずけてしまいます。タイアップ商品との事で発売当初は購入者だけが参加できる懸賞や割引クーポンなどのプロモーションも実施、ワインの知名度も更に上がったようです。

製造の担当者がまさに述べております、このワインを飲みながら番組を楽しむというファンならではのワインの楽しみ方ができますね。

「ダウントンアビー」という名のワインが人気、登場人物にちなんで米国カルフォルニアのぶどうを使用

ユニークなテレビ番組がユニークな新商品へつながる:ディスカバリーチャンネル

Sugarlands-Shine-Mark-Diggers-Rye-Apple-Moonshine_00-e1453499656150

全世界に放送網をもつディスカバリーチャンネルですが、この番組は日本では放映されていません。
番組のファンの人は上記の写真をみるだけで何の番組かがわかるはずです。(残念ながら私は知りませんでした)

この番組はディスカバリーチャンネルの「Moonshiners(酒類密造者)」。なにやらお酒を密造するというちょっとうさんくさいのですが、大変人気がある番組だそうです。

「Moonshiners(酒類密造者)」公式ホームページ

テネシー州のSugarlands Distilling社が、コラボ商品を作るべくこの番組に食いつきました。

番組内で密造酒をつくる2人の登場人物、MarkとDiggerと一緒にまさに、リンゴ味のライ麦スピリッツ「Rye Apple Moonshine」を作ってしまいました。

番組のファンは「密造酒を作る登場人物」が本当にお酒(密造酒?)を作ってしまうという企画に痛快さを感じるのではないでしょうか?一方で、番組を知らない人にとっては背景もわからないためコラボレーション商品を購入するモチベーションはほぼ無いと言っても過言ではありません。

番組のファンにとってはなんとも楽しく買いたくなるような新商品。ターゲットを絞り込みかつ遊び心があり、番組の宣伝シナジーにも直接つながるという非常にユニークな商品ではないでしょうか?

ディスカバリーチャンネルで人気の「酒密造者(Moonshiners)」とコラボのお酒を発表

海外でのセレブ、メディア、アルコール飲料のコラボレーションのまとめ

イノベーションの高い商品を収集しているラディアスを活用して5つのコラボ商品をご紹介致しましたがいかがでしたでしょう?もう既に知っている、商品を買ったという方もいらっしゃったかもしれませんね。

個人的にはジェイミーオリバーの紹介している方法で「モヒート」を早速作ってみたくなりましたが、商品とセレブとのコラボレーションによって様々な価値と機会を創出出来ることがよくわかったと思います。

特にインターネット、動画などは情報やインプレッションの拡散という機能において従来の広告メディアとは異なる広告手段として定着、とくに有名人とのコラボレーションでは効果が高いことも言えるでしょう。

日本でのこれらの商品、コラボレーション自体はなじみは少ないものもありますが、アルコール飲料業界でのセレブ、人気メディアとのコラボレーション、商品、企画は海外でも多く実施されているようです。
グローバルで知名度の高い著名人、スポーツ選手、そして今回取り上げた映画スターは大手メーカーにとっても世界市場をターゲットとした際には非常に有効的であることが言えます。
また、今回のジョニーウォーカーブルーレーベルでは中国をターゲットとして捉え、中国の有名女優ヴィッキー・チャオを起用。グローバルで知名度の高いジュードロウと一緒に活用する事でグローバル市場と新興のターゲット市場両方をカバーできるというセレブの利用の幅も広がる事例でもあることがわかります。

一方でセレブやメディアのもつ「ローカル性」は2つの側面を持つ事もわかりました。

このローカルの特性を活用する事で固定ファンの商品購入意欲を強く刺激できる事、一方でローカル性のためにターゲットとした市場以外では全く広告価値が創出されないという事も。

この事から、一部の全世界での知名度がないセレブ(多くのセレブ、有名人、スポーツ選手がそうである)を起用する際には、コラボレーションする商品の市場性とターゲット、そして起用する有名人のもつブランドイメージと保有するファン層をしっかりと合致させ最大効果を生むような戦略が必要であると思われます。

セレブ、メデイアとのコラボレーション海外事例からみるの傾向と効果

  • 海外においてもセレブ、有名人、人気メディアのコラボ商品は多く発売されている
  • グローバルで知名度があるセレブは限られている中でもグローバル企業を中心にそのようなセレブへの需要は高い
  • アルコール飲料との親和性も重要な要素
  • メディア(テレビ番組)が固定ファン層を持っている場合、商品は知名度を利用した販売促進に注力
  • インターネットの活用効果、特に動画は必須アイティム
出典

radiusこの情報は、IWSRの会員向け情報サービス「ラディアス」の新商品情報と商品を製造販売する両社のウエブサイトからの情報をもとにIWSR Japanが記事の作成、編集してお届け致しております。ラディアスでは世界のアルコール飲料業界の イノベーティブな新商品をトラッキングしております。

文責:前田静吾

コメント